相続した土地に関する新しい制度について |ブログ|村山司法書士事務所

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相続した土地に関する新しい制度について

 新しく始まる「相続土地国庫帰属制度」とは、相続した土地が、不要である、管理が難しいなどを理由に手放したい場合に、国に引き取ってもらえる制度です。令和5年4月27日から利用可能になります。
 手続としては、「国に帰属することの承認」を申請して、国が諸条件を確認のうえ承認するといった手続になります。
 承認の申請には、手数料や負担金が必要であり、利用しやすい制度になるかは、これからの運用次第でしょう。
 今のところ、面積が50㎡の土地を国に帰属させるためには、土地の種類に応じて、最低でも次の費用が掛かる見込みです。
(1)宅地50㎡の場合:約41万円以上~
(2)農地50㎡の場合:約26万円以上~
(3)山林50㎡の場合:約21万円以上~
 制度利用の事前相談が本年2月から始まります。すでに多くの方から問い合わせがあっているようです。

 併せて、相続等で「所有者が特定できない土地」の管理制度も本年4月から始まります。
 これまでは、不明となっている所有者=「人」にスポットをあてた管理制度のみでした。そのため、預貯金や借金等の調査も必要でした。本年4月から始まる制度は、所有者が特定できない「土地」のみにスポットをあてた簡易な管理制度になります。「土地」について、どのような権利関係があるのか、どのように処分するのか等につき審理するだけですので、利用しやすい制度になりそうです。

 なお、相続登記の義務化については、令和6年からになります。最近、「すぐに相続登記をしないと罰金を払わないといけないのですか?」といった相談を受けます。もう少し時間的な余裕はあります。

 これから、未相続の土地を増やさない取り組みが始まっていきます。